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IPOのメリット&デメリット!IPOを目指す最初のステップも解説 

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公開日:2024.11.20
最終更新日:2025.06.25
IPO準備
IPOのメリット&デメリット!IPOを目指す最初のステップも解説 

IPOとは「Initial Public Offering」の略で、未上場会社が株式を証券取引所に上場させ、新たに株式を発行することを指します。株式を公開することで、不特定多数の投資家が市場で自由に株式を売買することが可能となり、成功すれば企業の成長を大きく加速することができます。しかし、IPOの実行には大きな負担を伴うため、将来の企業の姿や、IPOのメリット・デメリットを十分に把握した上で検討することが重要です。

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IPOのメリット

IPOは、非上場企業にとって社会的信用の向上、資金調達の選択肢の拡大、経営の活性化等のための有効な手段です。上場することで、会社の株式は多数の投資家に保有・取引され、企業の成長を加速させる可能性があります。これにより、株主、企業、従業員等に多くのメリットがもたらされます。

IPOについては、次の記事を参考にしてください。

株主のメリット

上場後の株主のメリットには、株式価値の大幅な上昇があります。これにより、上場前にストックオプション等で株式を取得していた株主は大きな利益を享受できます。これは特に創業者にとって顕著な利益となります。

また、上場により株式を市場で売却できるようになるため、現金化も容易になります。このように、IPOは株主に大きなメリットをもたらします。

企業のメリット

IPOを行うことで企業は多くのメリットを享受できます。まず、IPOを通じて証券会社が投資家に情報を広めるため、メディアの注目を集めやすくなり、企業の知名度が向上します。さらに、IPOに伴う厳格な審査を通過することで、社会的な信用も向上します。資金調達の面でも、公開市場で広く資金を募ることが可能となり、より効率的な資金調達が実現します。

また、企業の採用戦略においても、上場は大きな利点となります。上場会社というブランドが、採用市場での魅力を高め、優れた人材を引き寄せる力となります。これにより、競争力の向上が期待できます。

従業員のメリット

IPOは従業員にも大きなメリットをもたらします。経済的な面では、ストックオプション制度などを通じて従業員が自社の株式を保有していた場合、IPOにより株式価値の向上が期待できます。

さらに、上場会社であることは社会的信頼度を向上させるため、従業員個人の社会的信用にもプラスとなります。これはクレジットカードやローンの審査で有利に働くことがあり、個人の金融活動にも好影響を与えるでしょう。

加えて、IPOを果たすことは、従業員の愛社精神や企業への帰属意識を強化し、モチベーション向上にも寄与します。これにより、従業員のキャリアと個人生活の質が総合的に向上する可能性があります。

ストックオプションについては、次の記事を参考にしてください。

IPOによるデメリット

上場を果たすと不特定多数の株主が株主関係に入るため、資金調達の容易性は増します。しかし、多様なステークホルダーに対する社会的責任は増大し、タイムリーなディスクロージャーや丁寧なIR活動が必要となります。その事務的な負担は相当なものになるでしょう。また上場に至るまで、そして上場後の上場を維持していくための経済的負担もかなり重いものとなります。

株主のデメリット

IPO銘柄は購入後にキャピタルゲインを得られることもありますが、業績が思うように伸びない場合、公募価格よりも価格が下がることもあります。また、ベンチャーキャピタル等の大口株主がイグジット(売却)するタイミングで、一時的に株価が大幅に下落するリスクにも留意が必要です。

さらに、IPO後に株式を取得した場合、株価に影響を与えるインサイダー情報に十分な注意する必要があります。上場会社の役員や従業員は、業績、株式発行等のコーポレートアクション、新事業開始など重要事実を公表前に知ることがあります。これらの重要な情報が公表される前に、その上場会社の株式の取引を行う場合(インサイダー取引違反)、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金等の罰則が科せられます。

企業のデメリット

IPOの実現により社会的な信頼を得られる一方で、企業の社会的責任は増大します。ステークホルダーに対するタイムリーな情報開示が求められ、プレッシャーが強まるでしょう。また、不特定多数の株主が増えることで、株主の経営に対する関与が強まり、「もの言う株主」が存在する場合には、経営に対するプレッシャーが増します。

従前の未上場時のように、自由な経営は難しくなる覚悟が必要です。さらに、IPOを実現するためには多額のコストがかかります。プロジェクト関連の人件費、IPOを共に進める監査法人や主幹事証券会社への報酬、印刷会社、株式事務代行機関、IPOコンサルティング会社、弁護士費用等、相当な費用の負担が必要です。

また、IPO後も上場を維持するためのコストがかかります。証券取引所への上場維持費、監査報酬、制度開示への対応コスト(社内の人件費・印刷会社への支払等)を継続的に負担しなければなりません。

従業員のデメリット

上場会社は金融商品取引法や証券取引所の要請に基づき、タイムリーな情報開示が必要です。売上や原価、経費、利益等の徹底した情報管理が求められます。また、法令遵守や上場会社としての適切な内部統制が必要となり、社内の規定が厳しくなる傾向があります。

上場会社としてのブランドにより優秀な人材が集まりやすくなり、社内におけるキャリアアップの競争が激しくなることが想定されます。社員間の競争による緊張感に耐えて勤務することが必要となる場合もあります。さらに、上場会社はさまざまなステークホルダーに対して、会社を成長させていく社会的責任を負っているため、所属する社員は社会的責任やステークホルダーからのプレッシャーを受けながら働くことが求められます。

IPOを目指すための最初のステップ

IPOには、一般的に3年程度の期間がかかるといわれています。整備すべき項目も多岐に渡るため、綿密なスケジューリングが何よりも重要です。実際にIPOのためのプロジェクトが動き始めると、社内的な業務プロセスや管理体制の⾒直し・改善、社員の意識改⾰や組織改編、会計監査、さまざまな⼿続きや上場審査の対応など、必要とされる準備作業は広範囲に渡ります。

必要な手続き漏れを防止するためには、外部の専門家の力を借りることも必要です。特に証券会社と監査法人は、IPOに必須のパートナーであり、他にも弁護士や社会保険労務士、税理士、IPO支援コンサルティング会社や金融機関など、複数の外部専門家がそれぞれの立場でIPO準備に必要な役割を果たします。このパートナーやコンサルティング会社の選択は、IPOを目指す最初のステップとして重要なポイントとなるでしょう。

IPOまでのスケジュールは、こちらの記事を参考にしてみてください。

まとめ

IPOは企業にとって大きな目標の一つとされ、さまざまなメリットをもたらします。しかし、IPOを実現するためには、長期間に渡る準備が必要であり、厳しいコンプライアンスの遵守も求められます。会社の成長のステージとしてIPOを目指すかどうか、そのメリットとデメリットを慎重に検討していく必要があります。

IPOのメリットを得るためには、計画的な準備が不可欠です。そのためにはIPOコンサルティング企業に相談し、現在の状態からIPO達成までの具体的なイメージを明確にしていきましょう。


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